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2017年8月

2017年8月10日 (木)

光と影 1

初潮を迎えて以来、
何度も血液を洗った。
血液はお湯ではなく、水で落とすのがよい、と、
おかあさんにおそわった。
 
 
子どもが生まれたら
何度もウンチを洗った。
白いさらしのおむつは、
黄ばんで、
うすきいろまでしかもどらず、
それでも、ならんではたはたと、
気持ちよく夏のそらの下でゆれた。
 
 
こどもは熱を出し、よく吐いた。
夜中の布団の中で。
朦朧としながら
シーツも布団カバーもはがし、
汚物をトイレで落として、
夜中にジャブジャブと水を使った。
 
 
朝起きてみると、布団が冷たくて、
となりの子どもがぐっしょりぬれていた。
私のパジャマも。
おねしょ、
の寝具の洗濯、
そして布団も充分干せないまま
あわただしく仕事に向かう日々だった。
 
 
洗濯がすくなくなれば、
お金のかかる年頃。
老人ホームでわたしは、
おなじく、
おばあちゃんの
ウンチをぬぐい、お尻を洗った。
 
死ぬ前しばらく母は寝たきりになった。
最後まで自力でトイレに行こうとがんばった
プライドの高かった母。
母の汚した下着を
こっそりとひっそりと洗った。
 
 
産まれ出ることと
育つことと、
死んでいくことに
深くかかわってきたわたしの汚れた手。
 
その同じ手で
ギターを弾く。
ここから、
どうか美しいうたが生まれますように。
 
 

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