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2015年4月26日 (日)

ミュウ5

また、いた。

銀色の髪の浅黒いからだのちいさなやせたしっぽのながいおじいさん。

このごろはいつも風が強い。

その空中で、今度は寝ころがっていた。

「おう」

といったけど、

私は風にあおられて、そこをとおりすぎ、

「こんにちわ」

といった声はきっととどかなかっただろうなあ。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

そらのなかで久しぶりに川を見た。

川はこことは少し違う世界を流れているらしいんだけれど、

ときどきこんなふうにこの世界とまじりあう。

わたしたちは

いろんなものと影響しあっている。

目に見えるものはすべてただのイリュージョンであるのかもしれないし

目に見えないもののなかに「ほんとう」がひっそりと隠れているのかもしれない。

けんじくんのようなたたかいの、肉体の、充実のなかにも

わたしのしらない「ほんとう」がひそむのだろうか。

わたしも、そらも、川も、けんじくんも、あまりに違いすぎているようで

わたしは判断を放棄して、ぼんやりした。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

高い木のてっぺんを揺らした風がどううっとやってきて、

わたしをもっとうえにつれていく。

春の次には夏が来るんだったなあと思い出す。

おじいさんがとおくのほうで、ゆっくりとおきあがるのがみえた。

う~んとのびをして、

ひょろ~んとどこかにとんでいってしまった。

また、

あえるといいな。

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