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2014年7月

2014年7月27日 (日)

海帰り

二年前「ヒカレテ」ができたときの海で泳いだ。

海は変わってないけれど、自分がずいぶん変わったのだなあとおもった。

ふつかめは波が荒くて、沖で波にもまれてまったく思うように進めなくなった。

沖を回って、目的の岩場に向かっていたのだけど、あきらめて引き返した。

手前の岩場から陸に上がるときも思わぬ波にたたきつけられて流血した。

うにのとげもいつしか刺さっていた。

海から続く温泉でふな虫を眺めながら、サルのようにじっと、傷を癒した。

島から離れるとき、海岸は美しくて、私が翻弄された沖はほんの島のそばで、

本当の海はこれから

ただ広くはじまって、どこまでもきらきら光っていた。

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2014年7月17日 (木)

ビューティフル ピープル

重い現実の日常を抱えながら、時折たずねてくれる彼女がいる。
わらいながら、さらっと語るその日々はなかなかにハードで、先の光も見えていない。でも、ちいさな、決して若くないその身にすべてを引き受けて、能天気に見せながらちいさな贈り物を持って、笑顔でやってくるんだ。
人って、美しいな、と、こういうとき思うんだよ。

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2014年7月14日 (月)

ガザからの報告~土井敏邦さんより

「子どもたちの眼に羞恥ではなく、“誇り”をみたい」

―ラジ・スラーニ氏・インタビュー(710日)―

土井敏邦

Q・今のガザの状況を教えてください)

 この新たな「戦争」は、3人のユダヤ人入植者が誘拐され殺されたことのきっかですが、

イスラエルは事件があったヨルダン川西岸のヘブロン市だけではなく、西岸全体またガザまで攻撃の対象としたのです。西岸では大量にハマスの指導者たちを逮捕し、ヘブロン市とその周辺の村々に外出禁止令を敷き、家を一軒一軒捜査し始めました。また住民の家々を急襲し、住民を脅迫し侮辱し、ハマスの指導者たちの家屋を破壊しました。さらに以前ガザで誘拐されたイスラエル兵(シャリート)との捕虜交換で釈放された元政治犯のパレスチナ人を再び逮捕しました。その数は数百人に及びます。イスラエル軍はパレスチナ自治政府の治安警察も無視して、少しでも不審だと思ったら、たとえ自治政府の人間でも射殺します。彼らはフリーハンドなのです。

 3人のイスラエル人少年の誘拐・殺害後はイスラエルの中に怒りが渦巻き、パレスチナ人少年が犠牲になりました。モハマド・アブクデール(16歳)です。それがまた西岸で怒りと暴力の新たな波を引き起こしたのです。

 また同時に、西岸の事件とはまったく関係のないガザ地区でも、イスラエルは繰り返し、ハマスの指導者たちを暗殺すると脅迫しました。それも公にです。そしてイスラエルの世論は復讐を要求したのです。

 イスラエルは10日前(630日)からF16やドロン(無人飛行機)、アパッチ・ヘリコプターなどによってガザの攻撃を開始しました。いわゆる「クリーンな爆撃」と彼らは言います。それはガザ南端のラファから北端のベイトハヌンまで空爆し、個々人を標的して住民を殺すことはせず、ただ住民の間に恐怖心を植えつけるというのです。そしてガザ全体には安全圏はないと感じさせるようというのです。

 しかしこの「戦争」の最初に、イスラエル軍は6人のハマス武装メンバーを殺害しました。つまりもはや「クリーン」ではないのです。ハマスはそれを受け入れることができません。イスラエルは自らの宣言を破ったのです。それでパレスチナ人側は報復しています。つまりイスラエルが挑発し、この「戦争」は始まったのです。

 それがこの「戦争」の引き金なのです。イスラエルは当初から、ハマスが反撃を開始することを望んでいました。それに応戦し降伏させようと考えていたのです。その空爆のやり方は、気が狂ったように猛烈に激しい爆撃です。ガザ全体を爆撃し、標的にした者は確実に殺害し、破壊する。イスラエルは新たな作戦を作り上げ、12時間の間に24人を殺害し、220人を負傷させました。また85軒の家を破壊しました。その作戦は、例えば私、ラジ・スラーニがハマスがイスラム聖戦のリーダーであったとすれば、私がそこにいようといまいと、私の家を爆撃するのです。F16によってです。ガザ中部のハンユニスのアブ・カワレ一家がその一例です。5人の子どもを含む7人を殺害し、28人を負傷させました。ベイトハヌンのハマッド一家も同様に、近所の男性がコーヒーを飲んでいて、傍にハマッドの妻と母親がその部屋にいました。そのとき空爆され、孫たちを含め6人が死亡したのです。

 イスラエル軍は住民、家族を破壊し抹殺しようとしています。破壊とテロです。軍事的な攻撃目標などないのです。これまで犠牲者の中にハマスやイスラム聖戦のメンバーは6人から多くても10人ほどです。他の犠牲者は一般市民で、その数は今のところ87人です。その数は時間ごとに増えています。武装組織のメンバーたちの大半が地下にもぐって表には出てきません。だからイスラエル軍は彼らの家、農園、インフラを狙って攻撃するのです。そこに人がいようがいまいが構わないのです。住民の殺戮と負傷によって、住民に恐怖を植え付けようとしています。それが、200万人が暮らすこの360平方キロの広さしかない狭いガザ地区で起こっているのです。ここは世界でも最も人口密度の高い地域です。イスラエルにはF16やアパッチ・ヘリコプターがあり武装艦船を持っています。それを用いて24時間、砲爆撃を繰り返しているのです。それだけでは満足せず、ある地域では地対地ミサイルまで用いています。誰も満足に眠ることができません。夜に動くものは、車でもモーターバイクでもすべて爆撃されます。即座に、です。夜の間、ガザをマヒ状態にしようとしています。日中でもガザでは普通の車を使うことが困難です。私は今60歳ですが、こんなことは私の人生の中で一度も経験したことがありません。

 この「戦争」、爆撃の前からガザ地区はとても特殊な状況に置かれていました。これまで2度もイスラエルの激しい攻撃にさらされ、多くの建物は再建されてはいません。また封鎖によって、ガザは経済的にも社会的にも窒息状態に置かれています。その封鎖の影響はあらゆるところに及んでいます。ハマスとファタハの連立政府が成立したばかりですが、ヨルダン川西岸から新たな政府要人がガザへ来て業務を引き継ぐこともできません。ガザ地区は非常にひどい状況下にあるのです。

 現在、イスラエル軍の地上侵攻についての噂が大きくなっています。イスラエルには大きな政治的な意見の分裂があります。ネタニヤフは気が狂っているかようです。もしイスラエル軍がガザ地区に侵攻してきたら、多くのイスラエル兵が殺されます。今は空爆によって、ガザはまさに「象が侵入した庭」のような状況です。しかしイスラエル軍がガザに侵攻したら、何千人という兵士が殺されます。一方、ガザ住民は少なくとも1万から15千人が殺されることが推定されます。イスラエル軍はガザに侵入すると流砂の蟻地獄のような状況になります。だからイスラエルの軍や諜報部門は侵攻を望んでいないのですが、政府が圧力を加えています。しかもまったく仲介者がいません。ハマスはエジプト政権に、「我われはあなた方と話をしたくない。あなた方はイスラエルの側に立っていて、我われはあなた方を信用しない」と言っている。そのハマスの指導層の大半は地下に隠れています。彼らが表に出てくれば、即座に暗殺されるでしょう。

 この事態は短期間では終わらず、長期化すると私は思います。とても困難で、血にまみれたものになるでしょう。何日かではなく、何週間も続きます。

 ガザの住民はまだ抵抗を支持しています。ハマスに対する不平・不満はなく、イスラエルと彼らがやっていることに対して激しい怒りを抱いています。またイスラエルを支持するアメリカやヨーロッパなどの立場と対応に怒っています。20082009年、また2012年のガザ攻撃で犯した罪によってもイスラエルは何の罰も受けなかったので、自分たちは免罪され、やりたいことは何でも自由に行動できると思っている、と多くのガザ住民は感じています。

 ここで起こっていることは簡単です。ここは法が支配する世界ではなく、ジャングルの掟(おきて)が支配している世界なのです。一般市民を保護する基本的で原則的な法さえ欠落しているのです。

私は今国際的な組織と接触をとっています。彼らは住民が標的にされ、多くの人が殺され、負傷していること、ガザ全体に医療品が不足していること、また病気や負傷した人が封鎖によって治療にエジプト側に出られないことをとても心配しています。

 あらゆるガザ住民が不安に震えています。まったく展望が見えないからです。イスラエルはここでは「全能」です。住民は苦しみ泣いています。それは道理にかなったことです。私は最悪の事態が起こることを恐れています。時間が経つごとに、前よりさらに事態は悪化し、今日は前日よりもひどい状態になっています。

Q・夜は動くものが標的にされる中、救急車は動けるのですか)

 爆撃は四六時中続いています。24時間ずっとです。夜に動く物体や人は全て爆撃されます。

Q・もし夜に負傷した場合、どうやって負傷者を病院に運ぶのですか)

 とても難しい状況です。動くのがとても困難なのです。昨夜、ハンユニスの海岸で爆撃がありました。住民はただカフェに座っていただけです。電気もなく、テレビも見られない状態でした。それに対してイスラエル軍は海上の艦船から砲撃したのです。5人が死亡し、20人が負傷しました。病院に駆け込むことができなかったからです。その1人は脚が切断され、本人がその切断された脚を抱えてジャーナリストたちに見せたのです。とても困難な状況です。まったくイスラエルはガザ住民の被害など気にかけない。女性や子どものこともまったく気にかけないのです。

Q・薬品や食料が不足しているとのことですが、説明してください)

 ガザの保健省の大臣が昨日(79日)私のところに電話をしてきて、病院で必要な医薬品の種類の25%が不足しているとのことでした。さらに他の25%も明日までに底をついてしまうというのです。今朝(710日)までの負傷者は520人です。その負傷者のすべてに薬品や手術、縫合糸が必要です。その基本的な薬品がないのです。とても深刻な状況です。いつもなら、エジプトとの国境が開かれ、エジプトやトルコやチュニジア、フランス、英国から医薬品や医者や看護師など医療関係者たちがエジプトから入ってくるのですが、今は誰も救援に来ません。国境が封鎖されているからです。もちろんイスラエル側の境界からも入ってこれません。だから殺戮、負傷、破壊がさらに深刻なレベルとなっているのに、明日(711日)までに医薬品の種類の50%が底をついてしまうのです。

 ICRC(赤十字国際委員会)ガザ支部の幹部と昨日話をしましたが、23日の間に医薬品を搬入しようと試みていますが、それはわずかな量で、不足している薬品全てを補うものにはならないとのことでした。それさえできなければ、深刻な事態になります。

 それ以外にも、手術や透析のための電気が不足しています。またガザ全体が燃料不足の状態です。だから事態はとても複雑な状況です。これは人工的に生み出された大惨事です。

Q・食料は?)

 今のところ、食料は大丈夫です。もちろんいい状況ではありませんが、人々はなんとかしのいでいます。ガザ地区では野菜や果物などが生産できます。しかし長期的にはわかりません。イスラエル側から物資が入ってくる検問所は今、機能していません。だからまもなくこの問題が深刻になるでしょう。ガザ住民の85%に食料を配給しているUNRWA(パレスチナ国連難民救済事業機関)は深刻な危機にあります。深刻な財政難のためであり、食料を搬入できない状態です。すぐに食料配給ができない状況に追い込まれます。しかも今はラマダン(断食月)です。

Q・ラファとエジプト側との地下トンネルはどういう状況ですか。機能していますか。イスラエルがトンネルも爆撃していると聞いていますが) 

 全体としてトンネルは機能していません。物資の搬入は枯渇しています。この23日間、ガザ・エジプト間の14キロの国境線沿いの地域全体をイスラエル軍は爆撃しています。しかも特殊な爆弾によってです。とても大きな重量の爆弾です。

Q・外国のジャーナリストはガザにいるのですか)

 昨日から外国人の存在を確認できました。昨日になってやっとできたのです。BBCワールド、BBCチャンネル4、BBCラジオ、それに「シュピーゲル」などドイツのメディアなどです。だから昨日から外国のメディアの存在について話ができるようになりました。特派員たちがガザに入ってきています。

Q2012年のガザ攻撃と今回では何か違いがありますか)

空爆のレベルも質も違います。今回はF16、ドロン(無人飛行機)、アッパッチ・ヘリコプター、地対地ミサイルなどあらゆる武器を用いています。また標的もガザの指導者たちの大半の家を攻撃しています。すでに125軒のハマス指導者たちの家が破壊されました。ハマス指導者たちは誰もがその家を破壊され、さらに死傷者が出ています。

 もちろん2012年のガザ攻撃もひどいものでした。しかし今回は住民を心底からの恐怖に陥らせています。前回はイスラエルも一般市民の被害を避けようと注意を払っているようでした。しかし今回は誰もがこの攻撃から自由にはなれないのです。自分の家に留まっていたとしても、比較的静かな地区に住んでいても、家が空爆の衝撃で揺れるのです。家の天井が自分の頭上に崩れ落ちるのでは感じるほどです。非常に危険な状況です。

 この状況は前例はありません。こんな事態に直面したことがありません。

Q・なぜイスラエル軍はハマスの指導者たちを攻撃できるのですか。情報をイスラエル側に流すパレスチナ人の「協力者」がいるのですか)

 「協力者」(collaborator)はいつでも存在します。占領者がいる所には必ず「協力者」がいる。彼らが占領者イスラエルの眼、耳、鼻、手となっています。とりわけF16やドロンには協力者が必要です。「協力者」たちは標的の家や車を特定します。その動きや武器倉庫などの情報をイスラエル側に流します。

 イスラエルはハマスやイスラム聖戦のメンバーたちに「死刑判決」を下し、それを実行しています。しかもそれを彼らの権利だと思っている。例えばラジ・スラーニを殺そうと思えば、私の家を爆撃し破壊する。そして家族を殺す。これは戦争犯罪です。誰も暗殺する権利はないのです。組織の指導者たちを「懲罰」するためにこれほど冷血な手法で殺害し、家を破壊することは許さないことです。ジュネーブ条約や国際刑事裁判所でもこれは戦争犯罪です。これは全く違法な行為です。

Q・世界の眼はイラクやシリア情勢に向き、ガザの情勢だけに注目しない状況です。また3人のイスラエル人少年の誘拐と殺害が事の発端であると報道されています。このような国際社会の見方にあなたはどう反応しますか)

 シリアやイラクの問題はあります。イエメンやエジプトやチュニジアの問題もあります。パレスチナだけが特別な問題ではないことはわかっています。

 しかし我われはこのタイミングを自ら選んだわけではありません。

 もう1つ忘れていけないのはブラジルでのワールド・カップです。世界の関心がそこに向かっている時期です。

 しかし私が腹の底から感じるのは、今のガザの状況の特別な“空気”です。一般に国際社会が事態を理解するのに23日を要します。今ここで起こっている事態を国際社会がやっと把握し始めています。

今回のようにテルアビブやエルサレム、昨日のディモナ(イスラエルの核施設のある町)、ハイファへのパレスチナ側のロケット弾攻撃はこれまでにない事態です。テルアビブはマヒ状態にあります。多くの市民がシェルターに隠れ、この3日間は学校や仕事に出られない状態です。イスラエル人はこの事態に怒っています。

彼らは今ジレンマに陥っています。セキュリティー(安全)に不安を感じ、今は「抑止力」について話を始めています。しかし誰も抑止できないのです。ガザからのロケット弾攻撃はずっと続き、ガザ住民は降伏もしません。自分たちの強靭さを自覚しています。もちろん住民はイスラエルの攻撃に苦しみ、恐怖に怯えています。

しかし同時に、この攻撃を甘受し何の抵抗もしない「いい犠牲者」でいいと思っている者はだれもいません。中にはこの被害を自分たちが求めているものを手に入れるための“代償”なのだと考える者さえいます。我われは「いい犠牲者」にはなりません。

他のアラブ世界からも連絡が届いています。エジプトからもです。この2日間に驚いたことにエジプトの知人から電話をもらいました。彼らは「パレスチナ・ガザへの連帯」と言うのです。彼らもとても動揺し、とても後ろめたく感じています。これがパレスチナとそれを取り巻く“空気”です。パレスチナで起こっていることを誰も無視できません。これまでイスラエルといろいろ共謀してきた自治政府のアブマーゼン(大統領)でさえです。西岸のパレスチナメディアも変わってきています。パレスチナTVは24時間体制でガザの状況を伝えています。西岸のメディアがです。

西岸の住民はガザ攻撃に抗議するデモをやり、イスラエルに対する抗議行動を起こし始めています。国連の安全保障会議では、私はナンセンスだとは思うけれど、協議が行われています。国際刑事裁判所もイスラエルを非難し始めています。アブマーゼンはイスラエルを非難し始め、「この事態は決して受け入れがたいことだ。ひどすぎる」と公言しています。彼ははハマス指導者のメシャルと電話で会談し、またエジプト側に国境を開けるように要請しました。

Q・昨日、あなたは私に「人間の尊厳が命より大切だ」と言いましたが、爆撃で家族を殺された住民の中には「ハマスのロケット弾攻撃のために自分たちはイスラエルの攻撃によって、さらに苦しまなければならない。後生だから、ロケット弾で攻撃するのは止めてくれ」という住民も少なくないと思いますが)

もちろん多くのガザ住民は「人間の尊厳が命より大切だ」ということに賛同しないかもしれない。我われは弱い人間だし、個人の利益を最優先に考えがちです。「人間の尊厳が命より大切だ」というのは、私自身について言っているのです。ただ私だけではく、私の周囲の理性的な人もそうです。この封鎖や攻撃の後は、ガザは“動物農場”のような状況です。封鎖、失業、貧困、分断、爆撃、殺戮、流血・・。下水道も管理できず、下水を海に流さなければならず海を汚染している状態、自分の運命も自分で決められず、建設的な生活をすることもできず、普通の人間のように行動することもできない。だからガザの人々はもう失うものはないのです。この悲惨な状況、非人間的な状況に置かれているのです。私たちは今すぐにはパレスチナを解放できなことはわかっています。しかし少なくとも人々はイスラエルの抑圧と攻撃を甘受するだけで抵抗しない「いい犠牲者」ではありたくはないのです。人間としての“誇り”と“強さ”を持ちたいのです。たしかに人々は流血し、気を失い、すべてを失ったという絶望感もある、それでも人々は自由と人としての尊厳を大切に思っているのです。そして自分の子どもたちの眼に、羞恥ではなく、“誇り”をみたいと願っているのです。

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土井敏邦さんのこと

であったのは7,8年前。出会った当時は九州にいっしょに行ったり、何度も一緒に飲んだりし

て、いろんな話をした。

土井さんはそのころ、パレスチナに何度も行って、映像を撮っていて、いくつかの映画にしてい

た。私はそこではじめて、パレスチナとイスラエルのことをすこし知る。聞いて聞いても、なかな

か歴史背景とかが頭に入らなくて。ただ、ふたつの民族の憎みあうことの悲しさや、やはりどう見

てもかなり一方的にやられているパレスチナの怒りと、人が簡単に殺されていくことの驚き。

パレスチナでは攻撃によって、たくさんの命が。イスラエルでは自爆テロによって、また命がなく

なっていく。

土井さんはやがて、パレスチナだけでなくイスラエルにも思いを写しにいく。

どれだけの人の悲しみを、土井さんはその心に受け止めてきたんだろう。

俺は人の悲しみや苦しみでめしを食ってるのか。。。と、つぶやいたことがあった。ジャーナリス

トが、そこに苦しみだしたらそれはとほうもない迷路にまよいこむだろう。

でも、土井さんの優しさは、その苦しさとともにある。

土井さんの映像はいつもとてもやさしい。

パレスチナでの、たくさんの友人や、子ども達の、死に遭遇しながら、たくさんのなみだを流しな

がら、カメラを回していたんだろう。

お酒を飲んで肉まんみたいな顔でニコニコして、酔っ払って、語り始めたらとまらなくなって、ち

ょっとめんどくさいけど。笑 でもだいすきな土井さん。

今回はいてもたってもいられなくなって、今、たった一つできること。

パレスチナの友人からのメッセージを送ってくれました。

次のブログにのせます。

どうぞ、読んでみてください。

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2014年7月10日 (木)

貧乏は自由だ

母子家庭時代、楽しい母子家庭同士で、貧乏自慢がはやった。
子どもが小さかったし、みんな仲良しだったので、ほしい物はつぶ

やいていれば大体どここかからまわってきたし、夜出かけられない

のでしょっちゅう家で宴会してたので、食べ物やお酒も誰かがもっ

てきてくれた。
そんな中で、節約が趣味だったロックンロール大好きR子(こども

ひとり)は、私、月10万でくらせる!と自慢した。「す、すごい

。私はがんばっても13万くらい。。」

ともあれ、私たちが自由だったのは貧乏がぜんぜん平気だったから

だと思う。

原発を作る仕事や、兵器を作る仕事、そのたいろいろ。お父さんや

、お母さんたちには子どものためにいやな仕事をやっている人もい

る。仕方ないと思っている人もいるだろう。
生活や幸せや安定は、そういう口実になってしまう。
でももし、みんな貧乏が平気になったら。
いやな仕事なんかやめてしまって、
お金がチョビットしかなくても、
助け合える仲間がいたら。
愛や趣味や妄想でしあわせになれたら。

そういう幸せを、私たちはバンバン生きようよ。
それはきっと、反対むきの風になる。
 

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ガザ

日本列島は台風通過中。大風を楽しんでいたけれど、パレスチナとイスラエルではまた衝突が起こっているらしい。
ふたつの国の過去を、今とても語れないし知らないことが多すぎるけれど、お金の力が大きいほうが強い攻撃ができるから、パレスチナの犠牲者が多くなる。
虐殺、という言葉をつかうには自分の知識が足りない。甘くてすみません。
子どもが死んでいる映像があった。生んでも生んでも、愛しても愛しても、子どもが殺される痛みにどうやって耐えたらいいのか、今の私にはわからない。想像の入り口で涙がとまらなくなるような痛みだ。

イスラエルの兵器を買うのに、日本が出しているお金が役に立っているのだろうか。アメリカと助け合うということはアメリカと仲良しのイスラエルを助けることで、
それは今回のようなことに役立ってしまうのだろうか。

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2014年7月 4日 (金)

集団的自衛権

息子が中学卒業のときだったと思う、自衛隊から就職案内が届いた

。希望に満ちた文面で。誇り高く。
とても、驚いた。
卒業式で挙げられた日の丸と君が代に、彼の中学の伝統だった手作

りの卒業式が切り刻まれ退屈なものになった、悲しみのあとだった

彼が生まれた23年前、私はこの子の出生届を出すかどうか迷って

いた。世の中がきな臭くなり始めていた。いつか、徴兵制が復活す

るのではないかと恐れていたから、戸籍がなければ逃れられるかも

、、などと思っていたんだ。

そして今朝、このタイミングで高校生たちに自衛隊の募集案内が届

いたと聞いた。
集団的自衛権で柔らかなからだを傷つけられるのは、自衛隊の若い

男の子たちだ。
はなしがちがうだろ!と一番思っているのは彼らかもしれない、と

いうことを、
政府もよくわかっているんだろう。

わたしはこんなに音楽を愛しているけれど、こどもたちが戦場にいかされる事になったら、何もかも投げ捨てていっしょににげるだろう。
音楽だって簡単に投げ捨てて。
戦場は他人も、自分のからだもこころも、全て殺す。
誰にもそんな思いはしてほしくない。
もちろん、自衛隊のおとのこやおんなのこたちにも。
人を愛することのまったく反対の方向に、それは、ある。
愛のための戦いなんてあるわけないだろ。
そんなの人を利用する男が作った嘘っぱちだ。

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