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2013年10月

2013年10月 4日 (金)

蛸の浜

宮古の浄土ヶ浜の隣に蛸の浜がある。
おおきな穴のあいた岩が、蛸のように見えるからだろう。
震災のあと、一番初めにできたのが小さな漁村を舞台にした蛸の歌だった。
以降、蛸に愛着がありまた、
海を思わせる歌が多くできている。どうしても海に惹かれてしまう。
で、
蛸の浜へ。
震災により浄土ヶ浜からのアプローチが絶たれているので、小さな町からまわってみた。
浜への道は細い地元の道なので、だいぶ手前の店に車を置かせてもらって30分ほど歩く。
町は蛸の浜と裏側を日立浜にはさまれており、日立側からの波にのまれた。
蛸の浜の手前は丘になっており、海沿いの神社も墓ものこっていた。
その、
町を歩いて向かう。
軽しかとおれないような細い道の両側にびっしりと家が建っていた、のだろう。
跡形もなく区画だけが残り、雑草が生い茂る。
地元の人は決してその空き地を横切らないという。
どんなにあいていても、道であった場所を、律儀に歩くという。
かつてその場所に家があり家族の思い出があり、またそこで、人が瓦礫に埋もれて死んでいたかもしれないから。。。

「しずかにあるいてつかあさい」
という、原爆投下後の復活した広島の町で書かれた詩がある。
今はこんなににぎやかなこの町のしたには、
かつて原爆の火に焼かれたひとたちが
今も眠っているのだから、
どうぞしずかにあるいてつかあさい、
という。。。
毎年夏に聞いて涙するその詩を、
思い出した。

町の人は、どこいぐ?とか、どごからきた?と声をかけてくれる。
彼らの目には
かつての町やいなくなった人たちのこと。
あのひの海の狂気が、
焼きついているんだな、
とおもいながら、
海沿いの道を歩いた。

蛸の浜は何事もなかったかのように静かに、
タコの岩やほかにもたくさんの変な岩に、
波の音が、ちゃっぷん、ごおお~~
どっぷん、かっぽん、ざぞぞぞお~
と、
面白い音に満ちていました。

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2013年10月 3日 (木)

海と山の街

釜石でみんなで祭りをやって、6日後?の今、宮古にいます。
浄土ヶ浜に忘れられないトンネルがあって、会いに来ました。
やわらかい素敵なリバーブと海の音。。。

近くの施設に、開いた口の中で小さな稲光をきらめかせている不思議な貝がいたので、館長さんにいろいろ聞いていたらいつしか津波の話になり、ここでの避難生活から、未来への思い。。その内ちょっと奥にいらっしゃいといわれて、
写真を見ながら、重茂(おもえ)地区の話になったら、わたしも加入の生活クラブ生協から、重茂の魚のこと、彼らの海を守る心意気など聞き及んで知っており。。。
いつしか、館長さんの言葉はすっかり東北弁になっていて、明るい未来の話だけじゃなく、忘れられない悲しい出来事や、いまだいえない心や体のダメージのことなど、大切な話を、たくさん語ってくれた。

わたしは、心に、あたたかいものや、希望や、悲しみや、うつろや、喜びや、感謝がごちゃ混ぜになったまま、また、トンネルにいって、しばし耳を澄ましていました。

海はそれらすべてをのみこんで、ゆっくりと青かったのです。

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